「峡泉」

【About】
私たちについて

2019.12.06

長野県の中央アルプスと南アルプスに挟まれた伊那谷を南北に流れる天竜川。
その渓谷沿いに、8室だけの小さな旅館が佇んでいます。

かつては大雨の度に氾濫し、「暴れ天竜」と呼ばれた天竜川。

そんな天竜川が、気の遠くなるような長い年月をかけて
硬い花崗岩を削り出してできたのが、宿の建つ渓谷、天龍峡です。

春は絶壁に咲くヤマザクラ。
夏は新緑、秋は燃えるような紅葉。
冬には掛軸に描かれた山水画のような世界を見ることができます。

有名な観光地や、新幹線の駅はありません。
特急列車は1日に2本だけ。

季節や時間を告げてくれるのは鳥や虫たちの鳴き声。
ムササビやフクロウ、タヌキなども遊びに来ます。

ここには、それ以外なにもありません。

この場所に最初の旅館ができたのは1924年。
今からおよそ100年前のことです。

その後、昭和初期に鉄道が開通したことや、
天龍峡が国の名勝に指定されたことなどにより、
多くの観光客が訪れる場所となりました。

現在の建物は約30年前に建てられ、
大切に修理を重ねながら現在まで続いています。

私たちがこの建物を譲り受けたのは2018年のこと。
観光のついでの宿泊ではなく、
宿泊そのものが旅行の目的となる宿を目指し、
2018年と2019年、私たちは冬の間宿を閉め、
いくつかの箇所を手直ししました。

壁の色や床の材質、置いてある家具や本、照明のひとつひとつまで、
宿の建つ天龍峡の自然や環境をより近くに、
ここでの時間をゆっくりと過ごしてもらえるように。

もし時間があれば、宿のある天龍峡をのんびりと歩いてみてください。
ヒグラシの鳴く夕暮れ前や、ひんやりとした朝の空気の中を。

それらは、私たちがこの場所で宿を営む理由のひとつです。
静かなこの環境を、きっと気に入っていただけると思います。