温泉

飯田(南信州・下伊那)の温泉利用で健康増進

自然の恵み「温泉」を利用しましょう

お話/まるやまファミリークリニック 丸山 哲弘先生

温泉って気持ちがいいですね。この伊那谷にもたくさんのすばらしい温泉があり、温泉が好きな人も多いのではないでしょうか。
でもその温泉ですが、ただ趣味として楽しむのではなく、健康のためにもっと積極的に利用しようという、病気予防のための「代替医療」としていま見直されつつあります。
飯田市立病院内科医長であり、日本温泉・気候・物理学会認定医、温泉アドバイザーである丸山哲弘先生に、健康増進のために、自然の恵み「温泉」を上手に利用する方法を伺いました。

(記事引用/週刊いいだ 2003年7月24日付記事より)

天龍峡のつり橋

病は気から・・・温泉につかって心から健康に・・・病院での温泉療法

温泉につかって心から健康に

私はこちらの病院に勤務する前、鹿教湯(かけゆ)病院というところに勤務していました。
鹿教湯温泉郷の中にあった病院なので、脳卒中の後遺症の方のリハビリテーションに温泉を利用していたことが温泉療法に注目したきっかけでした。

温泉は、その成分や温熱効果が体にいいということのほかに、気持ちのいいお湯につかることで、気分が良い方向へ向かうという効果があります。
病気になり体の不調などに悩むと、心が鬱々として塞ぎかちになる。するとさらに健康状態が悪化するという悪循環を招いてしまいます。
「病は気から」という言葉があるように、温泉につかって心から健康になって欲しいと温泉療法を進めてきました。

放射能泉(ラドン・ラジウム温泉)

温泉で病気にならない体を作る・・・心身症と現代

現代社会に生活する私達は様々なストレスの中に身を置いています。そして日々そのストレスを溜めていくことにより、知らないうちに体調を崩してしまうことが多いようです。  ストレスが原因で、頭痛や肩凝り、冷え性など、身体のどこかに不調が表れることを「心身症」といいます。例えば頭痛薬などを飲めば一時的に頭痛は軽くなりますが、根本的な原因が心にあるので、これでは治療ができたとはいえません。  加えて、食生活などの欧米化による肥満や、便利な世の中になったことでの運動不足。気がつけば多くの人が、糖尿病や高血圧などの現代病の予備軍になっているんですね。  私は医者ですから、病気になった方が病院に来られれば、治療はします。しかし、いったん病気になってしまった体を治すのはとても大変だし、患者さん自身もつらいはずです。誰でも病気にはなりたくないですよね。それなら、病気にかかってから病院に行くのではなく、病気にならない体を作ることにもっと積極的にならなければいけないと思うのです。

湯上り

温泉の三養とは・・・日本人が昔から楽しんできた湯治は、温泉療法

療養や保養を目的として、日本人は昔から湯治を楽しんできました。
医学の未発達だった時代においては、やまいに効く温泉はその効能に寄せる期待が大きかったのでしょう。

しかしこの温泉療法、いま海外では日本以上に積極的に取り入れられており、アメリカなどでは保険の摘要が効くなど、この分野の研究が進み、治療に取り入れられています。

実際日本でも、一部の地方自治体で、村の保険事業にすべて温泉を活用し、村をあげての意識改革に取り組んだところ、村の医療費が徐々に削減される方向になってきた、という例もあります。

温泉には疲労を回復させる「休養」、健康を保持して病気を予防する「保養」、病気の治療をする「療養」という3つの効果があり、「温泉の三養」と呼ばれています。

温泉天国日本に住んでいるのに、こんな素晴らしい自然の恵みを利用しない手はありません。従来の「温泉が好きだからなんとなく入る」という消極的な入り方だけでなく、健康の為にもっと積極的に入ることを心掛けましょう。

塩化物泉の特徴

温泉の持つパワー・・・温泉の成分のほかに、運動効果も

温泉は、その化学成分そのものが持つパワーの他に、浮力・水圧・粘性抵抗という効果も期待できます。

お年寄りや肥満の方などは、ひざにかかる体重の負担のせいで運動がしたくてもできないということがあります。

しかしお湯の中ではこの負担が3分の1になり、楽に身体を動かすことができます。これは浮力の効果ですね。

そして、お湯の中は粘性抵抗があり、たとえば5m歩いただけでもその10倍の運動量が期待できるのです。

「温泉場」を楽しもう・・・温泉を楽しむことの健康効果

また、温泉に行くということは、温泉そのものの健康効果のほかに、温泉場の気候、地形を利用することができるというメリットがあります。

温泉場への小旅行はマンネリ化した日常から脱出するということでもあり、精神的にリフレッシュされます。

また山里の温泉場で森林の中に身を置くことによっての、森林浴と天然のアロマ効果。清流などからマイナスイオンの恵みを浴びることができます。

こうしてみると、単なるレジャーであった「少し遠出して、山や森を散策し、美味しい郷土料理を食べて(食欲も出ますね)、温泉につかって帰ってくる」という行動は、健康の為にはとても利にかなっていることなのです。

健康につながる入浴法・・・温泉療法は自分の体調にあった方法で

まずは、自分の体調にあった方法で無理しないように入るということです。

  • いきなり入らず、かけ湯をしっかりして、温度に身体をならす
  • お年寄りや子供、体調に自身のない方は、42度以上などの熱いお湯は避けた方がよい
  • 入浴中や入浴後にはしっかり水分をとる
  • 一度に入る時間は長くても5~10分、間に休憩をとりながら、慣れてきたらそれを何度か繰り替えしていく

温泉のあとのリラックスも健康効果が・・・楽しみながら健康増進に

また、最近の温泉施設には、ジャグジーなどいろんな設備が整っていますから、目的に合わせて利用しましょう。

肩や腰の凝りには、ジャグジーや打たせ湯でマッサージ効果を。運動の為には、水中歩行。心臓や身体の弱い方などは、圧力がかからない寝湯などで、リラックスするといいですね。

上手く組み合わせて自分なりの健康コースを作ってみてください。また、入浴後に、休憩室などで寝転がって十分休むことも、とても身体に良いようです。

そして地元の方とふれ合い楽しいひとときを過ごせたら良いですね。

(記事引用/週刊いいだ 2003年7月24日付記事より)

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